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【人事・労務・労働問題】雇止めが無効とされた事例・京都地裁平成22年5月18日判決

 今回は、雇止めが無効とされた裁判例を紹介します。

 原告(2名ですが、ここでは便宜上1名に絞って紹介します。)が、被告会社から期間の定めのある雇用契約を更新しない旨の通知(雇止め)を受けたため、被告会社に対して、①雇用契約上の地位の確認と、②賃金の支払いを求めました。

 原告は、まずA会社に、平成13年6月1日、期間の定めのある社員(契約社員)として雇用され、雇用契約を7回更新し、約5年間勤務したのち、A会社の業務の一部を承継した被告会社に移籍し、雇用契約を2回更新し、3年勤務しています。
 原告は、A会社において、原告の雇用期間が3年を超える日以降も継続的に続く企画の担当をさせられていました。
 被告会社は、原則として、契約社員との雇用契約期間につき、3年間を上限とし、それ以上の更新を認めないルール(3年ルール)を採用していました。

 本判決は、まず、原告の雇用契約期間や契約更新回数を考えるにあたっては、被告会社との間の雇用契約だけを考慮するのではなく、A会社での勤務と被告会社での勤務が継続しているものと考えるのが相当としました。
 次に、被告会社が、契約社員については3年ルールを厳格に適用していなかったとしたうえで、被告会社が原告に対して3年ルールについて説明したと認めるに足りる証拠はないとしました。
 原告の契約期間は、勤続年数7年9か月、更新回数10回に及んでいること、原告は契約の満了時期を迎えても翌年度に継続する業務を担当し、当然契約が更新されることが前提であったことなどからすれば、原告が契約の更新を期待することに合理性があるとし、他方で、被告会社には雇止めをするだけの合理的理由がないとして、本件雇止めは無効であるとし、原告が期間の定めのある雇用契約上位の地位にあることを確認し、判決確定までの賃金請求を認容しました。

 本件では、会社に3年ルールなる方針があったようですが、例外的取扱いも多く、適用も緩やかだったようです。本件の事実関係からすると、会社が有効に雇止めを行うためには、整理解雇のケース同様に、会社の業績悪化等ある程度の厳しい要件を満たさなければならなかったことになってしまっています。
 会社としては、更新回数の上限をルールとして設けるだけで安心せずに、そのルールを厳格に運用する必要があったといえるでしょう。

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弁護士田辺敏晃

Author:弁護士田辺敏晃
東京の四ッ谷駅近くで執務する弁護士です。
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